九頭竜川のサクラマス
ルアーフィッシングとは?

2006.11.12 更新
2014.11.27 修正
2017.1.3 修正
2021.1.1 修正

 九頭竜川はサクラマス釣りの聖地???
 雑誌では、九頭竜川のサクラマスについて、特集を組み、九頭竜川で釣ってサクラマス釣り師として一人前としてみなす風潮があります。一般人にとって、あえて激戦区の九頭竜川で釣る必要はなく、釣りやすい他の河川で釣っても九頭竜川で釣っても1匹は1匹と考えています。
 といいつつも、雑誌に記事を掲載している人で、(物理的に九頭竜川に行けるのに)九頭竜川でほとんど釣っていない人の記事を見ると「まずは九頭竜川で釣ってからものを言え」とも思ってしまいます。

 九頭竜川をサクラマス河川のなかでも特別な河川としているのは、マスメディアに「サクラマス釣りが九頭竜川から始まった」と紹介されたことにあります。先人たちの努力により扉が開かれ、マスメディアにより「九頭竜川のサクラマス」が拡散され、飛びぬけた知名度を誇るようになりました。
 また、この川は入漁券を購入すれば、誰でも釣りすることができます。釣れない魚に1500円/日は高いと思いますが、他の河川が高価な年券しかなかったり、抽選制であったりすることから考慮すると釣り人にかなりオープンな河川です。また、漁期も長く、2月1日(一部16日)から5月末までです。また、知名度を上げるうえで一役買っているのは、越前フィッシングセンターです。この店は早くからインターネットやメルマガ等を活用した情報提供を行い、九頭竜川のサクラマス情報がこの店に集中することとなりました。その結果、九頭竜川の色々な状況がかなり高い精度で分かるようになっています。なお、この店は、釣果情報でキープした魚をHP等にアップしているので、キャッチアンドリリース派に目の敵にされています。しかし、こうした反越前FCの人であっても、九頭竜川でサクラマスを狙う場合には、この店の九頭竜川情報を入手せざるを得ない状況です。
 こうした情報の集中と開示は、九頭竜川でのサクラマス釣り氏のみならず、全国の多くのサクラマス釣り氏に多大な影響をもたらしています。他の河川ではここまで大きな影響力をもった存在はありません。
 そうしたことにより、新しいタックル(竿、ルアー等)が九頭竜川でどういった結果を出すかにより売れ行きが変わってくきます。これに九頭竜川の伝統をプラスすれば、やっぱり業界にとって九頭竜川はサクラマス釣りの聖地と言わざるを得ません。

 さて、九頭竜川の現状については、多分サクラマス河川で日本一集客力のある河川ですので、毎日地元や県外の遠征組が入川し、川が休まる日がほとんどなく、竿抜けポイントはほとんどないといっても過言ではありません。特に岐阜、飛騨の岐阜県勢をはじめ、名古屋、尾張小牧、一宮、春日井、三河、豊田、岡崎、豊橋の愛知県内各ナンバーの車で占拠されている状態です。
 例えば、土日祝日の下流域での朝(というより深夜・早朝)からの熾烈な場所取り競争、朝一のポイントを外すと2番目のポイントは大抵は先行者に叩かれた後。空いている場所もなかなかなく、場所移動もままならないという現実があります。ただし、平日はそこまでひどくありません。

 魚影については、遊漁者中心の「サクラマスアンリミテッド」が活動していましたが、2009年まではかなり薄い河川でした。しかし、福井県水産課による事業(2007-2010までの4年間)、九頭竜川中部漁協による事業(2011- 県補助)が2010年以降軌道に乗り、魚影が濃くなり、結果を出すことが以前より困難ではなくなりました。サクラマスを管理するようになると遡上(魚影)は安定します。富山県の神通川や黒部川がそうです。しかし、サクラマスの絶対数は少ないので、何年も釣っていない人はかなりいます。
  九頭竜川でのサクラマス釣りは人にはあまりお勧めできない。
釣れないサクラマス釣りに行く理由!!
 なぜなら、最初の1本目を釣り上げるまでにたいていは時間が掛かる。最初の1本を獲るのに2〜3年位掛かるのが、平均的な期間であるようである。なかには、5〜6年粘り強く通っていてもアタリすらないという人もいる。その反面、ビギナーズラックという言葉が当てはまるような1回目もしくは数回目で、すっと釣ってしまう事例も良く聞く。数回チャレンジして釣れないならば、すぐに撤退したほうが傷が浅くて済むと思われる。

 坊主(本命以外のアタリさえないことが多い)が当たり前で、その上、厳寒期の釣りであり、寒さに耐えうる強い精神力がなければならない。また、スギ花粉等の花粉が最も飛び交う時期ともなるので、花粉症の人にはつらい時期にあたる。そのうえ、釣行毎のルアーの消耗、ガソリン代、高速代、宿代等に耐えうる経済力も必要である。

※私は愛知県西部に住んでいるので、九頭竜川のある福井県まで片道約200kmあり、今はほとんどすべて下道(R302−R365−R8 or R158-R156-R41)利用で、初期は行き約4時間、帰り約5時間程度の所要時間を要している。かつては、一宮−関ヶ原間は高速道路利用していたが、今はほとんど利用していない。なお、すべて高速道路使用して(一宮IC−福井北IC)約2時間半程度掛かる。

 この釣りは、経済的、肉体的、精神的に注ぎ込んでもほとんど結果が出ないうえに、さらにも要求される。それでもサクラマスを狙おうと九頭竜川に通うのは、以下の理由からである。

1 冬は対象魚が少ない。初期のアマゴ・イワナ類は成魚放流ものが主体となる上に、天然魚はまだサビが残っており、釣趣に欠ける。だったら、綺麗なターゲットに絞ったほうが良いとの判断である。
2 釣れないからこそ、意地になって通っている。
3 極まれに釣れた時の感動は非常に大きい。

4 サクラマスの魚体は大変美しく、立派なものである。
5 福井の食べ物はおいしい。越前ガニ、ソースカツ丼、越前おろしそばなどがあるため通っている部分もある。また、回転寿司であっても地元よりおいしい
6 越前フィッシングセンターに集まるサクラマスアングラー(同志)との楽しい会話
7 鮎釣りまでの繋ぎ
8 これまでの習慣

 サクラマスは個体の絶対数が少ないうえに、食い気が少ない魚なので、執念深く釣り場に通わないと獲ることは難しい。これまでの私の経験からすれば、10日間朝から晩までルアーを投げると、1回程度のアタリがある。しかし、サクラマスのランディングは難しく、取れる確率は50%くらいである。従って1匹獲るのに20日間ルアーを投げることが必要である。確率論でいえば10日に1回当たる計算となるが、30日目に3回当たっても10日に1回ということなのが、サクラマス釣りのつらいところです。

P.S. 上記のことは2009年くらいまでは該当していたと思うが、2010年以降人は多いものの、魚影は濃くなったので、釣れるようになってきて、希少価値は減じた。また、昔からの名物・名手アングラーが少なくなり、彼らとのコミュニケーションが取れなくなり、面白味が減ってきた。 2014.11.27追記
最初の1本への道のり
 私は1本のサクラマスをとるのに5年の歳月を要し、6年目にしてようやく獲ることが出来た。
 1997年秋頃に石川県の河川では、餌でもサクラマスが狙える川があるということを聞いた。その年は本流餌釣りを始めた年で、苦労しながらもサツキマスを釣っていた。そして究極のターゲット・サクラマスに挑戦しようと翌1998年に石川県の手取川での本流餌釣りで狙い始めた。その年は数回行ったが、残念ながらノーヒットだった。
 翌1999年にサクラマスを釣るには、福井県の九頭竜川が近道と考え、ルアータックル一式揃え、高速道路上流を中心に通ったが、ノーヒット。2000年は九頭竜川が餌釣り解禁になった。それでもルアー中心に狙い、GWに餌釣りで1回狙った。この年もノーヒットに終わった。
 2001年・2002年は支流の足羽川では餌釣り可能ということで、餌釣りで狙ったが、またもやノーヒットだった。
 2003年は解禁日に九頭竜川に行ったが、三国港での越前蟹がメインの釣行であった。けど、越前フィッシングセンターで日釣券でなく、周りの雰囲気に流され、ついつい年券を購入してしまった。これで、年券分は九頭竜川に行って元をとらなあかんなあと思っていたところ、翌日の中日スポーツ誌の記事で昨年は2/10頃爆釣したとの記事があったので、2/10を中心に行ってみた。すると、自分のすぐ下流で釣っていた人がサクラマスをゲットしていた。また、自分のルアーにもチェイスがあったため、翌々週に再度チャレンジした。すると、初めてサクラマスを釣ることができた。翌週にも1本取ることができてサクラマスのルアーフィッシングにハマってしまった。

 最初の1本を取るのに、これだけ時間が掛かった原因として、トラウトルアーフィッシング(本流)の初心者ということと餌釣りとルアーフィッシングの両刀使いがある。
 それまでの5年間、サクラマス釣りの釣行回数が年平均5-10日程度の上、餌・ルアーともにやったために経験等が分散してしまい、成果が上がらなかった。また、4月中旬以降は近場の長良川・揖斐川のサツキマス狙いに切り替えていたことも、釣行回数が伸びなかった原因である。
 また、自分の周りにサクラマスを狙う人がいなかったのも原因であり、そのための情報量も限られていたのも原因の一つであると思う。
 最大の原因は、ポイントの読みがずれていたことにある。特に、盛期のサツキマス(in長良川・揖斐川)のイメージが拭い去れなかったのが要因である。(堰堤直下のポイントしか狙っていなかったので、魚の付き場が読めていない。また、活性が上がった時期なので、ある程度流速があるところを狙っていたなど)
 2018現在の釣りの実力
 2010年を境に釣果が安定してきました。九頭竜川の魚影がこの年からかなり濃くなったことが大きな要因です。が、自分の実力も少し上がったことも要因の一つと思います。
 この年ぐらいから自作ミノーのレベルが上がり、使えるレベルになったこと。某河川において釣りをした結果、ポイントの見方やルアーの流し方について自信を持てるようになったこと。愛知のW氏、京都のF氏の釣りをまじかで見てその秘訣を肌で吸収したこと。あげまんの妻と結婚したことなど。また、2011年からバイブレーションも使うようになり、引き出しが一つ増え、さらに2013年には狙うポイントもトロ場やヒラキも積極的に狙うようになり、釣りの幅がさらに増えています。




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